刺青絵師 毛利清二/刺青下絵展示in湯沢東映ホテル

越後湯沢温泉で1960年に開業した湯沢東映ホテル。

川端康成の長編小説「雪国」の舞台としても有名な地の老舗ホテルです。

先日、映画図書室の資料整理の一環で手にした「俳優派遣綴(*)」と記された冊子にかつての湯沢東映ホテルと東映京都撮影所の関りが記録されていました。

(*)「俳優派遣綴」(五社協定下で)東映京都撮影所で製作/撮影される作品以外への出演を管理する為に、他社・他所からの俳優出演依頼書等をまとめた帳面。現在整理中。

1960年代半ばの東映京都撮影所は年々「時代劇」の製作本数が減り、「任俠映画」が勢いを増してきた時代。撮影所専属俳優たちの仕事にも次第に変化が現れ、各劇場や地方での巡業公演、映画館での舞台挨拶やサイン会などのイベント、徐々に台頭してきたテレビ番組への出演などが増えてきたことが俳優派遣依頼の書類のなかで確認できます。

こちらが昭和41(1966)年、湯沢東映ホテルへの俳優派遣依頼の書類です。左)8月は歌謡ショーへの出演依頼。右)12月は第2館新築祝いとボーリング場開場の式典へのゲスト参列依頼といったところでしょうか。映画『仁義なき戦い』出演以前の千葉真一さん27歳、松方弘樹さんは24歳という若手の頃です。当時の様子とそれぞれのイベントの内容がとても気になりますね。(写真や資料をお持ちの方は映画図書室までご一報ください!)

そして、ここからが今回のお知らせです。

現在、その湯沢東映ホテルの2Fロビーにて【 刺青絵師 毛利清二/刺青下絵展示 】が開催されており、六点の複製作品がご自由に鑑賞いただけます。複製は、本展示のために東映京都撮影所美術部によってなされたもので、映画でも使用されている小道具用の和紙に印刷されています。複製作品ではありますが、毛利氏直筆のサインおよび落款が入った一点ものとなっています。

湯沢東映ホテル公式HPより

(写真左)映画『鬼龍院花子の生涯』(五社英雄監督、1982年)より《龍王太郎》、映画『仁義なき戦い』(深作欣二監督、1973年)より《昇り鯉》

(写真右)映画『新・仁義なき戦い/謀殺』(橋本一監督、2003年)より《不動明王》、映画『極道の妻たち』(五社英雄監督、1986年)より《天女》

(写真左)映画『昭和残俠伝 人斬り唐獅子』(山下耕作監督、1969年)より 《唐獅子牡丹》、映画『博奕打ち 一匹竜』(小沢茂弘監督、1967年)より 《一匹竜》

展示の刺青下絵が使用された映画との密接な関係を各作品ごとに解説した、映画図書室学芸員の原田麻衣によるキャプションと共にご覧いただけます。

ホテルにご宿泊のお客さまはもちろん、近隣に来られる機会がございます方々にもご覧いただけますので、是非ともお立ち寄りください。

かつて東映のスター俳優たちも訪れた越後湯沢の地での毛利清二刺青下絵作品展示をお楽しみください。

・施設案内 |【公式】湯沢東映ホテル

 

 

創作の過程を筆を手に取り説明する毛利清二
2026年5月27日撮影/映画図書室にて

東映太秦映画村・映画図書室では今回紹介した作品をはじめ毛利清二氏が手掛けた400点以上の刺青下絵やデッサン、携わった映画作品の台本やポスターなどの関連資料を数多く収蔵・管理しております。

毛利清二 <天女> デッサン/鉛筆、紙/制作年不明

映画図書室所蔵の資料は、どなたでも申請をしていただければ閲覧が可能です。

映画図書室は完全予約制です。ご利用のさいは下記のフォームより事前申請をお願いいたします。

(西嶋勇倫)