[特集上映] 没後10年 高倉健特集 銀幕での再会 @丸の内TOEI

日本を代表する映画スター・高倉健の没後10年にあわせ、東京の丸の内TOEIでは2024年11月7日(木)から22日(金)、「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」を開催します。1956年にデビューして以来、50年以上におよんだキャリアのうち、1961年から1999年に製作された19作品が上映されます。

上映作品の詳細についてはこちら:

入場料金・各作品のタイムテーブルなどの詳細は、丸の内TOEIのホームページに順次掲載される予定です:

 

東映太秦映画村・映画図書室では、高倉健出演作の台本やプレスシート、ポスター、スチール写真をはじめ、貴重な資料を多数所蔵しています。今回のニューズレターでは、その一端をご紹介します。

 

1956年、高倉健は東映の「第二期ニューフェース」として、『電光空手打ち』(津田不二夫監督)で映画デビューしました。大正時代の沖縄を舞台にした空手映画で、対立する流派の争いに身を投じる青年・忍勇作を演じています。映画図書室が所蔵するプレスシートは、「空手映画にかけては絶対の自信をもつ東映が、沖縄の大地におどる鉄拳の雨を、爽快なスリルとスピードで描く傑作」として宣伝しています。

東映東京撮影所宣伝課が当時発行したニューズレターは、高倉健のことを「充分に鍛錬され、個性的な容貌と合せて大いに楽しめる新人」と形容しており、東映による高倉健のプロモーション戦略がうかがわれる、貴重な資料になっています。以降、高倉健は東映の専属俳優として、数多くの映画に出演することになります。

 

『電光空手打ち』(津田不二夫監督、1956年)のプレスシート(映画図書室蔵)

 

東映の任侠(やくざ)路線のきっかけとなった『人生劇場 飛車角』(沢島忠監督、1963年)でも、高倉健は大スター・鶴田浩二の相方として、準主役を務めました。「義理と人情を重んじるやくざが辿る波瀾に富んだ渡世を、恋とアクションを織りまぜて描いたやくざ路線の第一作」と謳うプレスシートの文句からは、当時の東映の意気込みが伝わってきます。

高倉健は『日本侠客伝』シリーズ、『網走番外地』シリーズ、『昭和残侠伝』シリーズなどで主演し、東映の任侠路線を牽引するスターとして活躍しました。映画図書室では、同時期に高倉健が出演した『ジャコ萬と鉄』(深作欣二監督、1964年)や『狼と豚と人間』(深作欣二監督、1964年)などとともに、これらシリーズにかかわる資料を閲覧できます。

 

東映が製作した高倉健出演作品の台本(映画図書室蔵)

 

『新幹線大爆破』(佐藤純彌監督、1975年)など、任侠路線とは異なるジャンルでも、高倉健は活躍を続けました。1976年には東映を退社し、フリーの俳優として他社作品にも積極的に出演しています。丸の内TOEIにおける今回の特集では、『幸福の黄色いハンカチ』(山田洋二監督、1977年)、『野生の証明』(佐藤純彌監督、1978年)をはじめ、1970年代以降の他社作品もたくさん上映されます。映画図書室は東映作品に限らず、日本映画にかかわるあらゆる資料を収集・公開しています。ぜひご予約のうえ、図書室をご来訪ください。

 

他社製作による高倉健出演作品の台本(映画図書室蔵)

 

映画図書室をご来訪の方は、以下のフォームから事前のご予約をお願いいたします:

 

(内山翔太)