[展覧会]和田誠 映画の仕事@国立映画アーカイブ

現在、国立映画アーカイブで「和田誠 映画の仕事」展が開催されています。
日本を代表するグラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠氏は、約60年間にわたる制作期間のなかで、映画に関する仕事を数多く手掛けられました。本展覧会は、和田氏による映画ポスターやイラストレーション、映画をめぐる著書や映画作品など、和田氏による「映画の仕事」に焦点をあて、その功績を振り返るものです。

角川春樹事務所と東映の提携作品、『麻雀放浪記』(1984)で和田氏は映画監督としてデビューします。著書『新人監督日記』には、本業と進行してシナリオを執筆し、「新人監督」として映画製作の現場に入っていく当時の様子が詳細に記録されています。『麻雀放浪記』はキネマ旬報1984年度ベスト4にランクインするなど、高い評価を得ることになりました。

和田氏はその後も『怪盗ルビイ』(1988)、『怖がる人々』(1994)、『真夜中まで』(1999)の3本の長編映画を制作されました。映画図書室では、『麻雀放浪記』台本、『怪盗ルビイ』台本決定稿、『真夜中まで』台本撮影稿のほか、『怪盗ルビイ』と併映された短編アニメーション『怪盗ジゴマ(音楽篇)』の絵コンテを所蔵しています。

和田氏の絵コンテはそれだけでも見応えがあり、シーンの内容や画面上の動き、アニメーションが詳細に記入されています。なお、『新人監督日記』には、『麻雀放浪記』で初めて脚本執筆に取り組んださい、作法がわからず「絵コンテを並行して」描いていたと書かれています。

映画図書室では、上記台本のほか、スチル写真や書籍などの和田誠関連資料を所蔵しています。展覧会と合わせて、ぜひご活用ください。
資料の閲覧を希望される方は、下記のフォームより事前申請をお願いいたします。

(原田麻衣)