展覧会「映画でみる映画史Part 5 アニメーション映画の世界」@国立映画アーカイブ

現在、東京・京橋にある国立映画アーカイブ(以下、NFAJ)では、展覧会「ポスターでみる映画史Part 5 アニメーション映画の世界」が開催中です。4月8日より7階展示室で始まった本展は、現代の映像文化のなかでもとくに勢いを見せるアニメーションに着目し、ポスターを手がかりに、その草創期から2020年代に至るまで、1世紀を越えるアニメーション映画の歴史を振り返る内容となっています。

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展示作品は日本のアニメーションに限らず、ハリウッド製のカートゥーンから、ヨーロッパ社会主義国で制作されたアート・アニメーションまで、多岐にわたります。

また、会期中にはアニメーションに関するトークイベントも予定されています。6月28日(土)にはNFAJ主任研究員の岡田秀則氏による「展示品解説」、7月19日(土)には立教大学現代心理学部准教授の宮本裕子氏による「映画産業におけるアニメーションの歴史」と題したトークイベントも開催予定です。

2025年は、映画誕生から130周年という節目の年でもあります。本展は、映画草創期から現代に至るアニメーション映画の歴史を網羅的に辿る試みですが、日本ではサイレント映画の時代から豊かなアニメーション映画の歴史が存在しています。

そうした初期作品に触れてみたい方には、NFAJが運営するデジタル・アーカイブ「日本アニメーション映画クラシックス」のご利用をおすすめします。本アーカイブでは、日本の初期アニメーション作品を無料で視聴することが可能です。展覧会とあわせて活用することで、日本のアニメーション文化をより深く理解する手助けとなるでしょう。

▶日本アニメーション映画クラシックス

進化を続けるアニメーションの肥沃な歴史を学ぶ、またとない機会をどうぞお見逃しなく。

本展第4章「1930s―1970s 日本のアニメーション映画」で展示されている『白蛇伝』(1958年、薮下泰司演出)および『狼少年ケン 誇り高きゴリラ』(1965年、高畑勲演出)の「まんが大行進」版ポスターは、当図書室の所蔵品が特別に展示されています。また、当図書室では『白蛇伝』のポスターのほかにも企画書や構成台本などの関連資料を所蔵しています。

『白蛇伝』(1958年、薮下泰司演出)企画書・構成台本

 

そのほか、『西遊記』(1960年、薮下泰司監督)や『風の谷のナウシカ』(1984年、宮崎駿監督)など、当図書室ではアニメーション映画に関する台本やポスターも閲覧することができます。

ご利用の際は、以下のページのデータベースより検索していただき、専用フォームより事前申請をお願いいたします。

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(國永 孟)